ハンドメイドが残るイブシ加工

銀を使い古した加工「イブシ加工」に付いてリアルな職人の現場を書いていきます。いぶし加工とは、銀を硫化させてエイジング加工をかける仕様です。光沢感を残しながら経年劣化した味わいある風合いが魅力の加工です。

現代の国内のイブシ加工は職人の高齢化問題、後継ぎ問題なので価格の高騰などの問題があり、昔と違ってきています。昔はニッケルメッキで硫化させてイブシ加工をしていました。ですが、現在は純銀だけ硫化させてイブシ加工を行い、ニッケルメッキにはエイジング加工はかけますがラッカーでの着色でのイブシ風に見せる形に変わってきました。見栄えは殆ど変わらないので、プロでないとわかりません。今回は昔ながらの本物のイブシ加工に付いて参ります。

通称より白色が強いメッキ処理を行い、底から薬剤に付けて硫化させます。硫化させると全体が黒ずみます。このままだとただ経年劣化させてきたない見栄えです。ここから、経年劣化されている部分と研磨磨きをかけて光沢を持った部分と見栄えに差を与える事により、経年劣化しながらも美しい「いぶし銀」と言う見栄えに変わります。

研磨に付いて

・バフ研磨
物が大きい物やそこまで複雑な形状をしていない製品はバフ研磨で仕上げます。機械なので素早く出来るので低コストで上げれるのも魅力の一つです。殆どのイブシ銀の製品はバフ研磨で研磨しています。細かい話ですが、職人により研磨のかけ方が違ってくるので好みがあったり、イブシ具合にお客様のイメージと実際の上がりに相違が出やすい問題もあります。イメージと違う場合は加工し直しを行う事が殆どです。

・平削り
一個一個ハンドメイドでの研磨になります。複雑な凹凸をしていたり形状な複雑な物は平削りで研磨します。現代の物作りは機械やロボットで殆ど行われますが、いまだに機械やロボットでも研磨出来ないので、ハンドメイドで研磨すると言う作業になってます。金属を金属の彫刻刀を使い手で研磨するので、かなり強い力が必要で、この作業を行うと職人さんの手はかなり痛みを放つような作業です。手がかなりの痛くなる事が原因でイブシ加工の職人さんでも、殆どの職人さんは平削りはやりたくないと言いイブシ加工はするけど平削りはNGの職人さんが殆どです。平削りの仕上がりは機械では研磨しきれない細かい部分も、研磨するので、本当に美しい仕上がりになります。見栄えは全く違いますが、一個一個ハンドメイドでの研磨になるので価格はその分割高です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です